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振り返ると、特に親御さんと同居している先天的な障害を持つ当事者の方は参加が少なかったように思われた。逆に参加が多かったのは頸髄損瘍や脊髄損傷の障害を持つ方で、すでに免許を保有しハンドコントロール装置で運転をしている方々であったように思われた。これは、Joy Projectのスタッフの中に全国の脊髄損傷者の連合会に入っている者がいて、その機関誌でJoy Projectの活動が紹介されたりしたことも多分に影響していると思われる。
しかし問題は、その現在車椅子を使用しているがジョイスティックコントロールカーまでは必要としない方々が、その後積極的にJoy Projectの運動に参加できなかったことであり、われわれの力不足も感じるが非常に残念なことと思われた。
また、現在の障害者への情報ネットワークはまだ未発達状況とも言えるようで地域の障害者へのキャラバン等の情報提供がすべてに行き渡ったとは言えないようであった。参加者が比較的多かった熊本や高知などはやはり地元の組織がしっかりしているのと同時にJoy Projectのスタッフとの密接なつながりがあることも見逃せない。逆に参加者の少なかった宇都宮、金沢などには地元の組織と深い関わりがなかったのも事実である。
キャラバン後半では日本財団に地元の新聞にキャラバン告知の広告を載せていただいたが、残念なことにそれで参加者が劇的に増えるということはなかった。情報としては知っていながらそれを行動に移す気持ちを持った当事者がまだまだ少ないことを実感せざるを得なかった。
とはいえ、スタッフが会場に来られた当事者の前で実際にジョイスティックで運転をして見せたり、参加した当事者がジョイスティックに触れたりすることは、文章や言葉で説明するよりもはるかに説得力があり「キャラバン」という形式をとったことの最大の成果だったと思われる。また、シンポジウムをすることによって重度の障害を持つ方が現在抱えている移動手段の選択肢がない問題、障害者に対して国がおこなってきた福祉政策の問題、当事者が積極的に運動することによって世の中が変わっていくことなどを、Joy Projectの活動を通して伝えることができた。実際に広島では参加した方々がその場でグループを作り活動を始めているという例もあり、Joy Projectがキャラバンで投げかけた波紋は確実に広がっている。
一部の自動車教習所では、建物への段差に対して手作りのスロープを造って当日を迎えてくれたり、休日返上で教習官がイベントの手伝いをしてくれるなど、全国キャラバンが障害者を取り巻く環境の変化のきっかけになるには十分な素材であったことは間違いない。
以下10ヶ所についてのレポート参照

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